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一日中動き続けるエージェントの裏側に据える中位モデルを選ぶなら、いま最有力なのは GPT-5.6 Terra と Claude Sonnet 5 の2つです。どちらも無料ユーザー向けのデフォルトモデルで、およそ 100 万トークンのコンテキストウィンドウを備え、入力トークン単価も 1 ドル以内の差に収まっています。
本記事では、GPT-5.6 Terra と Claude Sonnet 5 を、コーディング/ターミナル系エージェント、知的生産、サイバーセキュリティ姿勢、長文コンテキスト時の挙動、API の制御面、価格の観点から比較し、ワークロードに合う方を選べるようにします。各モデル個別の詳細は、GPT-5.6 ファミリーとClaude Sonnet 5のガイドをご覧ください。
要点
- Terra はターミナル駆動のコーディングエージェントやツール連携が多いパイプラインに強く、トークン効率化機能が実利につながります。
- Sonnet 5 は長文コンテキストや文書中心の作業で安定。ウィンドウ全域でレートがフラットなためです。
- エージェントがシェルで動く、1ターンに多数のツールを呼ぶ、8月以降の出力トークンを安くしたいなら GPT-5.6 Terra を。
- 非常に大きなプロンプトを送る、トークン単価を予測しやすくしたい、意図的に攻撃用途を拒否するモデルを選びたいなら Claude Sonnet 5 を。
GPT-5.6 Terra とは?
GPT-5.6 Terra は OpenAI のGPT-5.6 ファミリーの中位層で、フラッグシップの Sol とエントリ層の Luna とともに 2026 年 7 月 9 日に一般提供に到達しました。OpenAI は Terra を日常業務向けのバランス型と位置づけ、従来の GPT-5 系でいう mini 層に相当すると説明しています。1,050,000 トークンのコンテキストウィンドウ、128,000 トークンの出力上限、そして 2026 年 2 月 16 日の知識カットオフを備えます。
Terra を「安いだけ」で終わらせないポイントが 2 つあります。Responses API 由来の Programmatic Tool Calling を継承しており、各ツールの応答ごとにモデルを往復させるのではなく、ツールを調整する小さなインメモリプログラムを書いて実行できます。加えて 2026 年 7 月 30 日、OpenAI はTerra の価格を 20% 引き下げ、ローンチ時の $2.50/$15 から 100 万トークンあたり $2.00/$12 に変更しました。
ファミリー全体についてはGPT-5.6 Sol, Terra, Luna ガイドで解説しています。フラッグシップ層が何に使われているかを見たい場合は、GPT-5.6 Sol がマクスウェル予想の反証にどう貢献したかの記事がおすすめです。フラッグシップ同士の比較はClaude Opus 5 vs GPT-5.6 Solもあります。
Claude Sonnet 5 とは?
Claude Sonnet 5 は Anthropic の中位モデルで、2026 年 6 月 30 日に公開され、同社がこれまで出荷した Sonnet の中で最も「エージェント的」とされています。計画、ブラウザ/ターミナル操作、自律実行といった面で、従来は Opus クラスが必要だった水準に達し、推論・ツール利用・コーディング・知的生産で Opus 4.8 に近い性能を、より低価格で提供するという主張です。
Free と Pro プランのデフォルトモデルで、いくつかの意図的な制約があります。temperature、top_p、top_k は廃止され、手動の拡張思考は 400 エラーを返し、アダプティブ思考はデフォルトで有効です。また、新しいトークナイザーを採用しており、Sonnet 4.6 と同じテキストでもおよそ 30% 多いトークンを生成します。Anthropic はこれを 2026 年 8 月 31 日までの導入価格で相殺しています。
ローンチ時の数値はClaude Sonnet 5 ガイドで整理し、フラッグシップとの比較はClaude Opus 5 vs Claude Sonnet 5で扱いました。
GPT-5.6 Terra vs Claude Sonnet 5:正面比較
各分野の能力に入る前に、2 つのモデルの全体像を並べます。
| 項目 | GPT-5.6 Terra | Claude Sonnet 5 |
|---|---|---|
| ベンダー/リリース | OpenAI、一般提供 2026 年 7 月 9 日 | Anthropic、2026 年 6 月 30 日 |
| 位置づけ | 中位層 | 中位層 |
| コンテキストウィンドウ | 1,050,000 トークン | 100 万トークン |
| 最大出力 | 128K トークン | 128K トークン |
| 100 万トークンあたりの価格 | $2.00(入力)/$12.00(出力) | $3.00(入力)/$15.00(出力)(〜2026/8/31 は $2.00/$10.00) |
| 長文コンテキスト加算 | 入力 272K 超で入力 2 倍/出力 1.5 倍(全リクエストに適用) | 未掲載(100 万までフラット) |
| 特徴機能 | Responses API の Programmatic Tool Calling | 努力レベルを選べるアダプティブ思考 |
| サイバー姿勢 | サイバー対応で学習済み。Trusted Access 経由で防御機能 | サイバー非対応で学習。セーフガードはデフォルトで有効 |
| 無料枠 | ChatGPT Work と Codex の Free/Go のデフォルト | Free/Pro のデフォルト |
| API モデル ID | gpt-5.6-terra |
claude-sonnet-5 |
コーディングとターミナル系エージェント
一般に、リポジトリ内でのプログラミングは Anthropic、有線ターミナルの作業は OpenAI に分がある、というのが相場です。
この分布は今回も同様です。Terminal-Bench 2.1 では Terra が 87.4%、Sonnet 5 は Anthropic のローンチ資料で 80.4%。コマンドライン作業で 7 ポイントの差です。注目すべきは、OpenAI 側の同一評価で Terra が Claude Opus 4.8(78.9%)や Claude Fable 5(83.1%)も上回っている点です。
一方、リポジトリ内のコーディングでは現状どちらの中位モデルも互角です。実リポジトリでの多段修正を評価する SWE-Bench Pro で、OpenAI は Terra を 63.4%、Anthropic は Sonnet 5 を 63.2% と報告しています。
| ベンチマーク | GPT-5.6 Terra | Claude Sonnet 5 | 注記 |
|---|---|---|---|
| SWE-Bench Pro | 63.4% | 63.2% | 別々のハーネスでのベンダー報告。実質同点 |
| Terminal-Bench 2.1 | 87.4% | 80.4% | ベンダー報告。Terra が最大のリード |
| Artificial Analysis Coding Agent Index v1.1 | 77.4 | 未掲載 | 独立指標。Terra は Fable 5(77.2)を上回る |
Anthropic 自身の説明もこの分布を裏づけます。Sonnet 5 のコーディングはピークスコアではなく「やり切る」点が売りで、初期テスターは Sonnet 4.6 が途中で止まった作業を最後までやり遂げ、頼まれなくても自己検証したと述べています。
エージェントがシェル中心なら Terra に分があります。コードベース内で失敗の理由を推論する仕事が中心なら、ベンチマークは同クラスの 2 モデルからの選択だと示しています。

知的生産とプロフェッショナルタスク
両社ともプロ品質を Elo 風に測る GDPval-AA v2 を報告しており、数値は誤差域です。OpenAI は Terra を 1,593 Elo、Anthropic は Sonnet 5 を 1618 としています。なお、OpenAI は Claude Opus 4.8 を 1600 Elo、Anthropic は同モデルを 1615 としており、Terra と Sonnet 5 の 25 ポイント差は手法上のノイズに収まります。
Terra に未回答の主張があるのは Agents' Last Exam(55 分野の長時間ワークフロー評価)です。Terra は 50.4% で、GPT-5.5(46.9%)、Claude Opus 4.8(45.2%)、Claude Fable 5(40.5%)を上回りました。Anthropic は Sonnet 5 をこの評価で未報告のため、OpenAI 側の主戦場として捉え、結論とは見なさないのが妥当です。
コンピュータ操作は単純比較を避けるべき領域です。OpenAI は Terra を OSWorld 2.0 で 50.2% とし、Anthropic は Sonnet 5 を OSWorld-Verified で 81.2% としています。評価セットもスコアリングも異なり、Anthropic は今回 OSWorld-Verified の運用を明示的に改訂しています。数字を横並びにしても意味はありません。
この領域での Terra の実利はトークン計数です。Notion の報告では、GPT-5.5 で動いていた多くのエージェントが、Terra に切り替えても同等の性能でコスト半減、トークンは 16% 減。Clio は Programmatic Tool Calling により、多段の文書分析でプロンプトトークンが 38% 減り、品質低下はなかったとしています。いずれも独立測定ではなくパートナー事例ですが、変更点は具体的です。
サイバーセキュリティ:正反対の賭け
ここが最も差が大きい領域で、能力の偶然ではなく設計判断の結果です。
OpenAI は GPT-5.6 ファミリーをサイバー用途向けに学習しました。Terra は Capture-the-Flag で 91.8%、SEC-Bench Pro で 57.7%、ExploitBench で 52.9%、ExploitGym で 23.2%。うち 2 つは前フラッグシップの GPT-5.5(SEC-Bench Pro 45.8%、ExploitBench 47.9%)を上回ります。
Anthropic は逆方向を選びました。Sonnet 5 はサイバータスク向けに意図的な学習をしておらず、Mozilla と構築した Firefox 147 の脆弱性を対象とするエクスプロイト開発評価では、動作するエクスプロイトを一度も生成せず 0.0% でした。Sonnet 5 はリアルタイムのサイバーセーフガードをデフォルトで有効化しており、サイバー用途にはガードレールが緩めの Opus 4.8 を推奨しています。
多くの読者にとって、これは Sonnet 5 の長所です。エクスプロイト生成がリスクとなる製品では、確実に拒否するモデルのほうが安全な依存先になります。防御的なセキュリティ業務を行う場合、Terra は OpenAI の Daybreak Trusted Access for Cyber の対象で、最もサイバー性能の高いモデルへのアクセスを維持するには、9 月 1 日までにハードウェアベースのパスキーが必要です。
OpenAI 側の摩擦コストにも注意が必要です。OpenAI によると、GPT-5.6 Sol のサイバーセーフガードは従来モデルの約 10 倍の潜在的有害行為をブロックし、ChatGPT と Codex には「低能力モデルでの再試行」オプションを追加しました。無害な要求まで引っかかるためです。Anthropic 側の Reddit スレッドでも同様の不満が報告されており、Sonnet 5 が無害なセキュリティ教育コンテンツをブロックしているとのこと。過剰ブロックはどちらも未解決です。
コンテキストウィンドウと長文タスク
名目上は同等です。Terra は 1,050,000 トークンのコンテキストウィンドウと 128,000 トークンの出力上限、Sonnet 5 は 100 万トークンのウィンドウと 128K の出力上限を公開しています。違いは、実際に埋めたときの挙動です。
Terra はウィンドウ全域での検索性能を公開しています。OpenAI MRCR v2 8-needle では、256K〜512K 帯で 89.6%、512K〜1M 帯で 72.5%。これは Sol の 91.5%/73.8% に近く、Luna の 41.3% を大きく上回ります。つまり 512K の文書内なら、隠れた情報を 9 割方見つけられる、信頼性の高い知識抽出の相棒だと見なせます。Anthropic は Sonnet 5 の同種の needle 検索スコアをローンチ時に公開していません。
より重要なのは課金挙動です。Terra は 272K を超える入力トークンのプロンプトで、入力 2 倍/出力 1.5 倍が「全リクエスト」に適用されます。Sonnet 5 は長文コンテキストの加算が公開されておらず、ウィンドウ全域でレートが維持されます。どちらが安いかは価格の章で数値化しますが、ここで形勢が逆転します。
制御面:努力、思考、API の制約
両モデルとも推論の努力レベルをダイヤルで調整できますが、他に触れられる設定は大きく異なります。
Sonnet 5 は temperature、top_p、top_k を完全に削除し、これらを指定すると 400 を返します。手動の拡張思考も 400 で、デフォルトはアダプティブ思考。有効化しないなら思考を無効にします。
また Sonnet 5 は Anthropic プラットフォームで Priority Tier をサポートしておらず、いま Opus や Sonnet 4.6 でレイテンシ保証を頼りにしている場合は影響があります。Anthropic は、努力レベル上昇に伴うトークン増を吸収するため、Chat、Cowork、Claude Code、Claude Platform のレートリミットを引き上げました。
Terra は別方向に広い制御面を持ちます。注目すべき機能は以下です。
-
Programmatic Tool Calling(Responses API)。調整用プログラムをメモリ内で実行し、Zero Data Retention に対応。
-
マルチエージェントのベータ(Responses API)。同時にサブエージェントを走らせ、1 リクエストで成果を統合。
-
max努力度。ChatGPT Work と Codex で GPT-5.6 へのアクセスがあるユーザーなら切り替え可能。 -
明示的なキャッシュ分割点。キャッシュ寿命は最小 30 分、キャッシュ読取りは 90% 割引、キャッシュ書込みは未キャッシュ入力の 1.25 倍。
-
関数呼び出し、構造化出力、ホスト型シェル、コードインタプリタ、コンピュータ操作を Responses API で提供(ファインチューニングは非対応)。
非対称性の注意:OpenAI の ultra 設定は 4 エージェントを並列協調させますが、公開されている ultra ベンチマークはすべて Sol のものです。誰かが Terra Ultra の数値を出すまで、中位層でも同等のマルチエージェント効果が得られると仮定しないでください。
価格:実際に支払う金額
現状、Terra と Sonnet 5 の入力単価は 1 ドル差以内です。請求額を左右するのは見出しのレートではなく、ワークロードの形です。
トークン単価の並び
| レート | GPT-5.6 Terra | Claude Sonnet 5 |
|---|---|---|
| 入力(100 万トークンあたり) | $2.00 | $3.00(〜2026/8/31 は $2.00) |
| 出力(100 万トークンあたり) | $12.00 | $15.00(〜2026/8/31 は $10.00) |
| 長文コンテキスト加算 | 入力 272K 超で入力 2 倍/出力 1.5 倍(全リクエスト) | 未掲載(100 万までフラット) |
| 思考トークン | 別レートの公開なし | 出力トークンとして課金 |
| 無料枠 | ChatGPT Work/Codex の Free と Go のデフォルト | Free/Pro のデフォルト |
Terra の $2.00/$12.00 は 2026 年 7 月 30 日の 20% 値下げ後のレート(ローンチ時は $2.50/$15.00)。Terra のキャッシュ読取りは 100 万トークンあたり $0.20。Anthropic も Sonnet 5 のプロンプトキャッシュをサポートしていますが、ローンチ資料で Sonnet 固有のレートは分解していません。
Anthropic は思考トークンを出力レートで課金するため、Sonnet 5 を高努力で回すと、最も高い費目がそのまま乗算されます。入力量ベースで見積もった予算を一気に超過する最も簡単な要因です。
実ワークロードの費用
計算式は単純です。(ボリューム ÷ 1,000,000)× レートを入力と出力で合算します。両モデルの差が出る要素を切り出せるよう、標準レートで 3 つの形状を試算しました。
| ワークロード | GPT-5.6 Terra | Claude Sonnet 5 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 生成偏重:入力 100 万/出力 400 万 | $50 | $63 | Sonnet 5 が +$13(26%) |
| 検索・しきい値未満:入力 1000 万/出力 100 万、各リクエストは 272K 未満 | $32 | $45 | Sonnet 5 が +$13(41%) |
| 検索・しきい値超え:入力 1000 万/出力 100 万、各リクエストは 272K 超 | $58 | $45 | Terra が +$13(29%) |
3 行目がポイントです。2 行目と 3 行目で総量は同じでも、各リクエストのサイズだけが違い、Terra の 272K 加算によって 41% の優位が 29% の不利に転じます。契約文やリポジトリ文脈を 30 万トークン規模で 1 回に詰め込む運用なら、Terra の見かけの安さに惑わされます。
また生成偏重の行は、9 月までの購入なら逆転します。Sonnet 5 の導入レート $2.00/$10.00 では $42、Terra は $50 なので、標準レートが 2026 年 9 月 1 日に適用されるまで Sonnet 5 が $8 安くなります。Anthropic は Sonnet 4.6 からの移行をほぼ中立化するためにこの期間を設定しており、予算設計時に留意が必要です。

同じ仕事で費用が変わる理由
レートがそのまま請求額になるのは、両モデルが同じ仕事で同じトークン数を消費する場合に限られますが、通常はそうなりません。Terra と Sonnet 5 は異なるベンダーのトークナイザーを使っており、同一テキストでも応答前の入力トークン数が変わるためです。
ベンダー間比較のトークン数は公開されておらず、補正値は提示できません。あるのは Terra 対 Sonnet 5 を直接示さない先行主張だけです。
- Anthropic は Sonnet 5 の新トークナイザーが Sonnet 4.6 よりおよそ 30% 多いトークンを生成すると文書化し、
- Notion は Terra が GPT-5.5 より 16% 少ないトークンで動いたと報告しています。
上の表は予測ではなく「レート比較」として扱い、コミット前に代表サンプルで自前のトークン数を計測するのが無難です。特に Sonnet 5 のトークナイザー変更はローンチ時にチームを戸惑わせ、Simon Willison のレビューやクラウド系コンサルも主要な移行サプライズだと指摘しています。
GPT-5.6 Terra と Claude Sonnet 5 の選び方
多くの読者が直面するであろうシナリオごとの判断は次のとおりです。
| ユースケース | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| ターミナル/CLI のコーディングエージェント | GPT-5.6 Terra | Terminal-Bench 2.1 で 87.4%。Sonnet 5 は 80.4%。 |
| リポジトリ単位のバグ修正 | どちらでも | SWE-Bench Pro の 63.4% 対 63.2% は同点。価格とエコシステムで選択。 |
| 非常に大きなコンテキスト(30 万トークン超) | Claude Sonnet 5 | 長文加算なし。Terra は 272K 超で入力 2 倍の加算。 |
| 1 ターンで多数のツールを呼ぶパイプライン | GPT-5.6 Terra | Clio の文書ワークフローでプロンプトトークンを 38% 削減。 |
| 防御的セキュリティと脆弱性トリアージ | GPT-5.6 Terra | Capture-the-Flag で 91.8%、Trusted Access for Cyber での提供。 |
| エクスプロイト生成がリスクとなる製品 | Claude Sonnet 5 | Firefox のエクスプロイト開発で 0.0%。サイバーセーフガードをデフォルト有効。 |
| 2026 年 9 月までの生成偏重ワークロード | Claude Sonnet 5 | 導入レート $2/$10 なら、入力 100 万/出力 400 万の月で Terra より $8 安い。 |
| サンプリングパラメータを細かく調整したい | GPT-5.6 Terra | Sonnet 5 は temperature、top_p、top_k を 400 で拒否。 |
GPT-5.6 Terra を選ぶなら…
- エージェントがシェル常駐。 Terminal-Bench 2.1 の 7 ポイント差は両モデルの最大の公開差です。
- 1 ターンに多数のツールを呼ぶ。 Programmatic Tool Calling が中間データを文脈から外し、PlayCo は構造化シーン構築で総トークン 63.5% 減、モデルターン 50.1% 減を報告。
- 防御的サイバー業務を行う。 Terra の SEC-Bench Pro 57.7%、ExploitBench 52.9% は Sonnet 5 の意図的拒否とは別クラス。
- 出力トークン単価を抑えたい。 2026 年 9 月以降、Sonnet 5 は 100 万あたり $15、Terra は $12。
- 長文検索の公開数値が必要。 例:MRCR v2 の 512K〜1M 帯で 72.5%。
Claude Sonnet 5 を選ぶなら…
- プロンプトやファイル文脈が大きい。 100 万トークンまでのフラット課金は Terra の 272K クリフに勝り、1000 万入力の月で 29% の差になります。
- 設計としてサイバー業務を拒否するモデルが欲しい。 Anthropic の自己評価でも、Sonnet 5 は Opus 4.8 や Mythos 5 よりサイバー能力が大幅に低く、これは多くの製品チームにとって望ましい挙動です。
- Claude エコシステムにすでにいる。 Sonnet 5 は Free/Pro のデフォルトで、Claude Code で動作。
- 多機能設定より単一ダイヤルがよい。 アダプティブ思考+努力レベルは、努力+max+ultra+ツール呼び分けよりも考える対象が小さいです。
コストが制約なら、試算の 3 パターンを見るのが早道です。生成偏重の月は $50 対 $63、しきい値未満の検索は $32 対 $45、各リクエストが 272K を超えると $58 対 $45 になります。
GPT-5.6 Terra と Claude Sonnet 5 を始めるには
どちらのモデルも今日一般提供されており、どちらも無料で配られているデフォルトモデルです。試すのに必要なのは時間だけです。
| 面 | GPT-5.6 Terra | Claude Sonnet 5 |
|---|---|---|
| コンシューマーアプリ/ティア | ChatGPT Work:Free/Go はデフォルト。Plus/Pro/Business/Enterprise は選択可 | Claude アプリ:Free/Pro のデフォルト。Max/Team/Enterprise でも利用可 |
| ファーストパーティ API | OpenAI API(Responses と Chat Completions) | Claude Platform 上の Claude API |
| クラウドプラットフォーム | Amazon Bedrock(GA)、Microsoft Foundry(GA、APAC Data Zone 含む)。Google Vertex は未提供 | AWS 上の Claude Platform、Microsoft Foundry の Claude。Google Vertex は近日提供予定と記載 |
| コーディングエージェント | Codex:Free/Go はデフォルト、Plus 以上で選択可 | Claude Code |
| API モデル ID | gpt-5.6-terra |
claude-sonnet-5 |
最初の API コール
SDK は別物なので、切り替えはモデル名の置換だけでは済みません。どちらの呼び出しも短く、差が一目で分かります。
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
response = client.responses.create(
model="gpt-5.6-terra", # swap for gpt-5.6-sol or gpt-5.6-luna
input="Refactor this pytest fixture to avoid module-level state.",
)
print(response.output_text)
from anthropic import Anthropic
client = Anthropic()
message = client.messages.create(
model="claude-sonnet-5", # no temperature/top_p/top_k on this model
max_tokens=1024,
messages=[{"role": "user", "content": "Refactor this pytest fixture to avoid module-level state."}],
)
print(message.content.text)
既存の Anthropic 向けコードを移植する場合は、まず temperature、top_p、top_k、手動の拡張思考に関する設定を削除してください。Sonnet 5 は無視せず 400 を返します。
Anthropic 側のセットアップ全般は、Claude API 完全ガイドで本稿以上に詳しく扱っています。GPT 側の導入は、Working with the OpenAI API コースが最適です。
まとめ
一言で言えば、Terra はターミナルエージェントとツール密度の高いパイプラインに強く、Sonnet 5 は大きなプロンプトと、設定面で考える要素を減らしたいチームに向いています。
興味深いのは、両社とも中位モデルを無料のデフォルトに据えつつ、「何を拒否すべきか」で真逆の賭けをした点です。OpenAI は Terra をサイバー用途に対応させ、最も鋭い能力は本人確認とハードウェアパスキーの背後に置きました。Anthropic は Sonnet 5 をそもそもサイバー業務をしないように訓練し、その上にセーフガードを載せています。どちらが正解とも言えず、どちらも正当な業務に摩擦を生みます。
他人のベンチマーク表ではなく、自分で判断するための基礎を築きたいなら、まずは AI Fundamentals スキルトラックから始めるのがおすすめです。
FAQs
GPT-5.6 Terra と Claude Sonnet 5、コーディングに向いているのはどちら?
作業内容によります。SWE-Bench Pro では、リポジトリ単位のバグ修正で Terra が 63.4%、Sonnet 5 が 63.2% と実質同点です。一方、ターミナル/CLI のワークフローでは GPT-5.6 Terra が大きくリードし、Terminal-Bench 2.1 で 87.4%、Sonnet 5 は 80.4% です。エージェントがシェルで動くなら Terra、コードベース内の一般的な推論ならどちらでも問題ありません。
価格はそれぞれいくら?
GPT-5.6 Terra は入力 100 万トークンあたり $2.00、出力 100 万トークンあたり $12.00(2026 年 7 月 30 日に 20% 値下げ)。Claude Sonnet 5 は標準レートで $3.00/$15.00、導入価格として 2026 年 8 月 31 日まで $2.00/$10.00 が提供されます。Terra には 272K トークン超のリクエストで(全リクエストに)入力 2 倍/出力 1.5 倍の長文加算があり、Sonnet 5 は 100 万トークンまでフラットです。
コンテキストウィンドウはどのくらい?
GPT-5.6 Terra は 1,050,000 トークンのコンテキストウィンドウと 128,000 トークンの出力上限を持ちます。Claude Sonnet 5 は 100 万トークンのコンテキストウィンドウと 128K の出力上限です。どちらも多くのワークロードに十分な大きさです。
Claude Sonnet 5 はサイバーセキュリティに使える?
Claude Sonnet 5 はサイバーセキュリティタスク向けに意図的な学習をしていません。Mozilla と構築した Firefox 147 の脆弱性を対象とするエクスプロイト開発評価では 0.0% でした。リアルタイムのサイバーセーフガードはデフォルトで有効です。多くの製品チームにとっては、エクスプロイト生成を確実に拒否するモデルのほうが安全な依存先となるため、これは弱点ではなく特長です。防御的サイバー能力が必要なら、GPT-5.6 Terra は Capture-the-Flag で 91.8%、SEC-Bench Pro で 57.7% を記録しています。
30 万トークン超の大きなプロンプトではどちらが安い?
多くのワークフローでは GPT-5.6 Terra の方が安い一方、プロンプトが大きい場合は Claude Sonnet 5 が安くなります。GPT-5.6 Terra は入力が 272K トークンを超えると、入力 2 倍・出力 1.5 倍がリクエスト全体に適用されます。Sonnet 5 は長文加算が公開されておらず、100 万トークンまでフラットです。