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Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna:ベンチマーク、料金、実測テスト

掲示価格は同じでも請求は違う:Haiku 5.5 はエージェント系ベンチマークで優位、GPT-6 Luna はテストで同精度を約半額で達成。
更新日 2026年10月11日  · 11 分 読む

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ChatGPTClaudePerplexity

Anthropic は最近 Claude Haiku 5.5 を発表し、OpenAI に照準を合わせました。Anthropic が公開したベンチマーク表では、両モデルが並ぶすべての行で Haiku 5.5 が GPT-6 Luna を上回っています。しかも価格は OpenAI の Luna と完全に同一設定で、入力 100 万トークンあたり $0.10、出力 100 万トークンあたり $0.50。表面上の比較は簡単です。Haiku 5.5 は GPT-6 Luna より優れていて、価格は同じ。

それが大筋の見立てです。ですが「トークン単価が同じ」ことは「仕事の単価が同じ」とは限りません。同じタスクでも、モデルごとに読む・書くトークン数は異なります。では、まったく同じ仕事を両モデルにさせたら、本当に同じコストになるのか? もし違うなら、評価は変わるのか? 実際に確かめてみました。

要点

  • Claude Haiku 5.5 はより有能なエージェントで、Anthropic のベンチマークではコンピュータ操作とターミナル作業で大きな差をつけています。
  • 紙の上では Haiku 5.5 の勝ち。同じ価格でベンチマークが優秀です。ですがコストの実測(ネタばれ)では、Luna がほぼ半額で同じ回答を出しました。
  • 学び:同一のトークン単価でも、トークナイザー、推論の長さ、長文プロンプトの割増によって実コスト差は隠れます。

Claude Haiku 5.5 とは?

Claude Haiku 5.5 は Anthropic の最小・最速モデルで、2026 年 10 月 7 日に Claude 5.5 ファミリーの最後のメンバーとしてリリースされました。

分類・抽出・ルーティングといった大量・低レイテンシー処理や、Sonnet 5.5 や Opus 5.5 のサブエージェント用途に向けて位置づけられており、適応的思考とコンピュータ操作機能を価格帯の最下段に持ち込みました。

Claude Haiku 5.5 ガイドでは、リリース概要と Haiku 4.5 との実機比較を解説しています。

GPT-6 Luna とは?

GPT-6 Luna は OpenAI の最も効率的なモデルで、2026 年 9 月 22 日に GPT-6 ファミリーの最小ティア(Astra と Sol の下位)として登場しました。

OpenAI は Luna を焦点の定まった大量タスク向けに位置づけ、10 月 8 日から ChatGPT Free と Go の基盤モデルとして展開を進めています。

GPT-6 Sol と Luna のガイドではリリース内容を紹介しています。

Claude Haiku 5.5 vs. GPT-6 Luna:徹底比較

Anthropic のベンチマークでは、両モデルが並ぶ全項目で Haiku 5.5 が Luna を上回り、とくにエージェント系タスクで差が広がります。一方、単純な判断におけるコストと速度では、弊社のテストでは逆の傾向が出ました。

項目 Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna
OSWorld 2.1(コンピュータ操作) 72.4% 48.9%
Terminal-Bench 4.0 39.2% 16.4%
GDPval-AA v2.1(Elo) 1620 1437
AA-Briefcase v1.1(Elo) 1578 1336
FrontierCode 1.1(Main) 46.4% 42.4%
Chartography(ツールなし) 46.4% 29.1%
DeepSWE v1.1 未報告 66.6%(最大努力)
コンテキストウィンドウ / 最大出力 100 万 / 128K 105 万 / 128K
知識のカットオフ 2026 年 6 月 2026 年 5 月
努力レベル low 〜 max(既定は medium) none 〜 max(既定は medium)

DeepSWE 以外の行はすべて Anthropic の発表表に由来するため、Anthropic の主張として読むべきです。OpenAI は Haiku 5.5 との比較を出していません。Luna の方が先にリリースされたので、それ自体は通常のことです。

エージェント作業とコンピュータ操作

ここが Haiku 5.5 が最も差を広げる領域です。実デスクトップの操作でタスクを完了できるかを試す OSWorld 2.1 では、Haiku 5.5 が 72.4% に対し Luna は 48.9%。23.5 ポイントの差は、小型モデルの使いどころを変えます。Terminal-Bench 4.0 でも同様で、Haiku はコマンドラインのタスクを 2 倍以上こなしています。

Anthropic は Haiku 5.5 とあわせてブラウザ操作ツールも提供しました。

エージェント作業なら、Haiku 5.5 を選ぶのが明快です。

ナレッジワークとドキュメント

Haiku 5.5 は専門タスク系の評価でも優位です。GDPval-AA で約 180 Elo、AA-Briefcase で約 240 の差。Chartography のチャート読解でも 17 ポイントの差が出ています。

ただし、単純で規則に基づく文書判断では、弊社の実測では精度差は一切出ませんでした。差は主にオープンエンドな作業で表れると考えられます。

コーディング

コーディングは拮抗しています。変更がマージ可能かを採点する FrontierCode 1.1 では、Haiku 5.5 が 4 ポイント先行。OpenAI は Luna が DeepSWE v1.1 で最大努力時に 66.6% と報告しており、Claude Opus 5 の中程度の努力に匹敵します。どちらの小型モデルも、本格的なコーディングエージェントの第一選択ではありません。これは Sonnet 5.5 や GPT-6.1 Sol の領分です。

努力レベルと API 制約

両モデルとも既定は medium ですが、Luna はより低く設定できます。 none は推論を完全にスキップし、最安・最速の回答を出します。Haiku 5.5 の最小レベルは low ですが、high 以下なら思考をオフにすることも可能です。

価格:実際に支払う額

Haiku 5.5 と Luna は標準レートが同一なので、実質的なコスト差は長文プロンプト、トークナイザー、出力の多寡から生じます。

トークン単価の比較

100 万トークンあたり Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna
入力 $0.10(プロンプト 100K まで) $0.10(プロンプト 272K まで)
出力 $0.50(プロンプト 100K まで) $0.50(プロンプト 272K まで)
キャッシュ済み入力の読み取り $0.01 $0.01
キャッシュ書き込み $0.125(5 分) $0.125
長文プロンプトの料金 100K 超:入力 $0.50、出力 $2.50 272K 超:入力とキャッシュが 2 倍、出力が 1.5 倍
バッチ割引 50% 50%

10 万トークン未満では、レートカードは行単位で同一です。そこを超えると、Haiku の価格は 5 倍に跳ね上がる一方、Luna は 27.2 万トークンまで据え置きで、その後の上昇幅もずっと穏やかです。両者とも推論は出力として課金されます。

定価ベースでは、差が出るのはプロンプトが長くなってから。とはいえ、後述のトークナイザーの違いが、この見かけの同率を崩します。

現実のワークロードはいくらかかるか

ワークロード Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna 差額
汎用アシスタント:入力 100 万 / 出力 25 万 $0.23 $0.23 なし
検索(各リクエスト 100K 未満):入力 1000 万 / 出力 100 万 $1.50 $1.50 なし
検索(各リクエスト 272K 超):入力 1000 万 / 出力 100 万 $7.50 $2.75 $4.75(Luna は 63% 安い)

各合計は(ボリューム ÷ 100 万)× 単価の入力・出力合算です(標準レート)。

  • 汎用アシスタントと短文検索: レートカード上は完全に互角。
  • 長文検索: Luna は約 3 分の 1 のコスト。しかも 100K〜272K の範囲では、Haiku はすでに高率で課金されるのに対し、Luna は据え置き。入力 1000 万 / 出力 100 万だと、Haiku $7.50 に対し Luna は $1.50。

同じタスクでコストが違う理由

両モデルは異なるトークナイザーを使います。実測では、同一の 24 件の請求書で、Haiku 5.5 の入力トークンは 51,961、Luna は 30,098。Haiku の方が約 1.7 倍多くカウントされました。これを短文検索の行に当てはめると、Haiku の入力コストは $1.00 から約 $1.73 に上がるため、上の「同率」行は実質的には Luna に有利です。

出力も差を広げます。同じテストで、Haiku 5.5 は Luna の約 2 倍の出力トークンを書きました。大半は推論で、そのためレートが同一でも実行コストはほぼ 2 倍になりました。努力設定が同一の一例ではありますが、両計測で方向性は一致しています。

Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna の実測結果

上のベンチマークでは Haiku 5.5 が優位で、価格表では両者は同率と示されます。

ただ、後者を鵜呑みにしたくなかったので、1 つの問いに沿ってテストを設計しました。「両モデルが同じ仕事を同じ品質でこなすなら、実行コストはいくらか?」

両者が正確にこなせるはずの仕事を選び、違いは回答ではなく請求額に表れるようにしました。

タスク:買掛業務の代行。各モデルに 24 件のベンダー請求書を、対応する発注書と納品書とともに与え、定められたポリシーに沿って「支払う/保留/差し戻す」を判断させます。発注書にない品目や注文番号が誤りなら差し戻し。数量・価格(5% 超過)・納品遅延(3 日超)の不一致は保留。それ以外は支払い。

多くの請求書には、ポリシーが直接は示さない落とし穴を仕込みました:

  • 5% 許容の内外ギリギリの価格
  • 1 品目を 2 本の納品行に分割
  • 日付形式が混在する遅延納品
  • 2 桁が入れ替わった注文番号
  • 支払いを主張するベンダーメモ
  • 2 つの規則に同時違反する請求書

主な結果:

  • 精度では差がつかず。 24 件すべてで両モデルが正解、仕掛けもすべて見抜きました。
  • 自信過剰な誤答もなし。 Luna は全回答で確信度 100%。Haiku 5.5 は数%の保留を残す場面がありました。
  • Luna はより安く速い。 請求書の読解・回答ともに必要トークンが大幅に少なく済みました。
発注書 PO-40205 に対し請求書は PO-40250 を記載。Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna はともに差し戻しと正しく判断
24 件のテスト請求書の一覧表。Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna は全件で支払い・保留・差し戻しを正しく選択

実行全体の費用は、OpenRouter の課金で Haiku 5.5 が $0.0095、Luna が $0.0051。同一レートなので、差はすべてトークン由来です。

得点は両者 24/24。実行コストは Luna が $0.0051、Haiku が $0.0095

価格表どおりだったか? ほぼ違いました。24 件すべて正解ながら、Luna は $0.0051、Haiku 5.5 は $0.0095 とほぼ倍。レートでは説明できません。要はトークンで、同じ請求書が Haiku のトークナイザーでは約 73% 多くカウントされ、さらに Haiku は回答前の思考トークンも約 3 倍使っていました。

評価は変わったか? 部分的に。Haiku 5.5 がより有能という見方は維持しますし、ソフト操作が要るエージェントなら依然として Haiku を選びます。ただ、「同じ価格」という見え方は誤解を招きました。 

Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna の使い分け

ソフトを操作するエージェントなら、コンピュータ操作での 23 ポイント差はコスト以上に重要です。定義が明確な大量判断では、今回のテストでは Luna がほぼ半額で同じ回答を出しました。

Claude Haiku 5.5 を選ぶべきケース

  • コンピュータやブラウザを操作するエージェントを作る。 コンピュータ操作とターミナル作業で Luna に大差をつけ、ブラウザ操作ツールも同梱されています。
  • Sonnet 5.5 や Opus 5.5 配下の安価なサブエージェントが必要。 Claude ベースのスタック内部での読解・圧縮・限定タスク処理に適しています。
  • 仕事がオープンエンドな専門タスク。 単純な規則チェックではない GDPval-AA や AA-Briefcase で優位です。

GPT-6 Luna を選ぶべきケース

  • 分類・抽出・ルーティングを大量運用する。 テストでは Haiku と同精度で、コストは約半分、体感でも高速でした。
  • プロンプトが日常的に 100K を超える。 長文プロンプトの料金が、Haiku の 5 倍跳ね上がりに比べてはるかに穏やかです。
  • 推論を完全にオフにしたい。 none の努力設定は両ラインナップ中で最安・最速です。
  • すでに OpenAI スタックに乗っている。 ChatGPT、Codex、GitHub Copilot、Azure で利用できます。

Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna の始め方

面 Claude Haiku 5.5 GPT-6 Luna
コンシューマーアプリ Claude.ai(Web、iOS、Android)。全プラン(Free 含む)。 ChatGPT(10 月 8 日から Free と Go)、ChatGPT Work、Codex
ファーストパーティ API Claude API OpenAI API(ツールは Responses API 経由)
クラウド基盤 Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry Azure AI Foundry
コーディングエージェント Claude Code、Cursor Codex、GitHub Copilot
サードパーティルーター OpenRouter(anthropic/claude-haiku-5.5) OpenRouter(openai/gpt-6-luna)
API モデル ID claude-haiku-5-5 gpt-6-luna

クラウドの広がりは Haiku 5.5 が上回り、コンシューマー向けの露出は ChatGPT 経由で Luna が優勢です。API のモデル ID は claude-haiku-5-5 と gpt-6-luna です。

最初の API コール

両者は SDK が異なるため、切り替え時はクライアントとモデル文字列の両方を変更します。

from anthropic import Anthropic

client = Anthropic()
response = client.messages.create(
    model="claude-haiku-5-5",
    max_tokens=1024,
    output_config={"effort": "low"},
    messages=[{"role": "user", "content": "Classify this ticket as billing, bug, or feature request: ..."}],
)
print(next(b.text for b in response.content if b.type == "text"))
from openai import OpenAI

client = OpenAI()
response = client.responses.create(
    model="gpt-6-luna",
    reasoning={"effort": "low"},
    input="Classify this ticket as billing, bug, or feature request: ...",
)
print(response.output_text)

キーとコストの詳しい手順は、Claude API 完全ガイドを参照してください。

まとめ

当初は単純だと考えていました。ベンチマークで Haiku 5.5 が勝ち、価格は同じ。なら Haiku を選べばよい、と。ですがテスト後の結論は少し違います。エージェント、ブラウザ自動化、オープンエンドな作業など難度が高く追加能力が効く仕事には Haiku 5.5 を。単純で繰り返しの仕事には GPT-6 Luna を。同じ答えがより安く上がるためです。今回は少数サンプルであり、実運用での結果は環境により変わる点は認めます。

今回の教訓はモデルそのものよりも価格表にあります。同一のトークン単価は、実際に支払う金額についてはほとんど何も教えてくれません。コストが重要なら、両方に自分のタスクを流して請求を比べてください。

どちらかでの構築に前向きなら、Introduction to Claude Models コースや、OpenAI Fundamentals スキルトラックをおすすめします。

FAQs

Claude Haiku 5.5 は GPT-6 Luna より優れていますか?

仕事次第です。Anthropic のベンチマークでは、共有テストのすべてで Haiku 5.5 が上回り、とくにコンピュータ操作(OSWorld 2.1 で 72.4% 対 48.9%)とターミナル作業で大差がついています。24 件の請求書判断テストでは両者とも満点でしたが、GPT-6 Luna は約半額かつ高速でした。

Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna の料金はいくらですか?

両者とも、入力 100 万トークン $0.10、出力 100 万トークン $0.50、キャッシュ済み読み取り $0.01 です。Haiku 5.5 は 100,000 トークン超で $0.50(入力)と $2.50(出力)に上がるのに対し、GPT-6 Luna は 272,000 トークン超でのみ値上げ(入力とキャッシュが 2 倍、出力が 1.5 倍)します。

価格が同じなのに、テストで GPT-6 Luna の方が安かったのはなぜですか?

トークンです。同じ 24 件の請求書で、Haiku 5.5 はトークナイザーの違いにより入力トークンが約 1.7 倍に数えられ、さらに出力トークンも約 2.9 倍(主に推論)でした。トークン単価が同一のため、その分 Haiku の実行コストが Luna のほぼ 2 倍になりました。

コンピュータ操作やブラウザ自動化に適しているのはどちらですか?

Claude Haiku 5.5 です。Anthropic の表では OSWorld 2.1 で 72.4%、GPT-6 Luna は 48.9%。また、Haiku 5.5 にはブラウザ操作ツールも付属します。

Claude Haiku 5.5 と GPT-6 Luna の API モデル ID は?

Claude API のモデル ID は claude-haiku-5-5、OpenAI API のモデル ID は gpt-6-luna です。OpenRouter ではそれぞれ anthropic/claude-haiku-5.5 と openai/gpt-6-luna です。

トピック
人工知能